健康コラム
新型コロナワクチンの副反応について
投稿日:2021.05.19
更新日:2021.05.19
医療従事者に対し優先的に接種が行われているコロナワクチン、やっと受けることができました!
この1年、発熱患者さんに対しいろいろな予防策を取りながら診察してきましたが、やはりワクチンは強い味方なので心待ちにしていました。
今回はその経験も踏まえ、ワクチンの副反応についてのお話です。
まずコロナワクチンは筋肉注射(インフルエンザ予防接種は皮下注射)で、皮膚に垂直にブスっと深く針を突き刺します。ですが、注射時の痛みはインフルエンザに比べてはるかに痛くないです(これはうれしかった)。接種をうけたクリニックスタッフみんな痛くなかったと言っています。
続いて表に副反応の割合を示します。
まず、「副反応はほとんどの人に出る」ということを認識していただければと思います。接種を受けた直後は何ともないのですが、その日の夜から翌日にかけていろいろ出てきます。ですがそれらは接種後2,3日で消失します。
接種した部位の痛みは多くの人が経験します。私は押さえたら痛いという程度でしたが、多くの人は腕が上がらなくなるくらいの痛みです。
疲労感や頭痛も頻度が高いです。疲労感はこれまで経験したことがないくらいの疲労感となる方もあり、接種翌日に仕事を休まなければならないこともしばしばあります。ですから、ワクチン接種を職場などで進めていく場合、接種の翌日にその人が休務するかもしれないということを念頭に、接種順番やグループを決めて頂ければと思います。
これらの副反応は1回目の接種より2回目の接種の時のほうがより多いということもわかっています。
さらに頻度的にはわずかですが、アナフィラキシーという重篤な副作用もあります。蕁麻疹が出たり、血圧が下がったり、救急処置を必要とする状況で、救急搬送や入院が必要となる場合もあります。そのほとんどが接種直後に出現するとされており、ワクチン接種後15分(薬のアレルギーがあったり、アナフィラキシーの既往があったり等、リスクのある人は30分)は接種を受けた場所で待機し、アナフィラキシーが起こらないかどうか経過をフォローします。万が一アナフィラキシーが起こった場合でも、その加療に使われる注射薬をクリニックやワクチン接種会場には常備しています。