咳喘息について

風邪をひいたあと、発熱やのどの痛みはなおったのに、咳が出だしてなかなか止まらない。一回咳が出だすとずっと続き、昼間しゃべろうとすると咳が出だしてしゃべれないとか、夜も咳で寝られなかったり、咳で目が覚めたりするということを体験されたことのあるかたもいらっしゃるのではないでしょうか。長引く咳には肺結核やマイコプラズマ感染症などいろいろ鑑別しなければならない疾患も多いのですが、最近しばしば見かけるのが今回紹介する咳喘息です。

 

厳密には気管支喘息の仲間という範疇なのですが、気管支喘息の一歩前段階といったほうがわかりやすいかもしれません。風邪薬や咳止めは効かず、喘息の治療薬を使わないとなかなかこの咳は止まらないし、喘息の薬を使っても一般に1ヶ月くらい咳が続きます。さらにこの咳喘息、3人にひとりは気管支喘息へ移行するということもわかっており、きちんと適切な加療を受ける必要があります。

 

花粉症やアトピー性皮膚炎などアレルギー体質を持ったかたに多いようですが、小児喘息歴があり大人になってからは喘息は出ていないのに最近咳が止まらなくなったというパターンの方もいらっしゃるし、これまで喘息といわれたことはないが今回初めて咳が止まらなくなったという新規発症の方もいらっしゃいます。

 

咳が1,2週間続く時には「風邪が長引いているだけ」と安易に考えず、御気軽にご相談ください。

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