新型コロナワクチンの有効性95%とは

 

当初医療従事者を優先に接種し始めた新型コロナワクチンですが、先日高齢者への接種も開始されました。今回はよく耳にする「ワクチンの有効性95%」ということをわかりやすく説明したいと思います。

 

現在日本で使用されているファイザー社製のコロナワクチンは、ランダム化比較試験という医学の世界では大変厳密な臨床試験によりその有効性が示されました。本人の同意を得た上で、本物のワクチンを接種した人たちのグループと、プラセボ(単なる生理食塩水)を打った人たちのグループのその後を追跡し、新型コロナの患者発症率を比較したところ、その発症率はワクチン接種群で95%抑制されたということが明らかになったのです。

 

以下にそのグラフを示します。

 

 

 

新型コロナ 95%

 

 

 

【ファイザー社のワクチンのランダム化比較試験でのワクチン接種群とプラセボ群の新型コロナ発生率の推移(https://doi.org/10.7326/M21-0111)、(忽那先生改変)】

 

 

 

つまり、コロナ感染症の発症が20分の1に抑えられたのです。この結果を踏まえ、全世界でワクチン接種が進んでいます。

同様の結果は、モデルナ社製のワクチンでも示されています。

 

 

さらに最近の研究でわかってきたことが、「コロナ感染症の発症を95%抑えるだけでなく、コロナウイルスの感染自体を抑制する」ということです。まだいろいろな報告がある状況ではありますが、大規模な調査で、ワクチン2回接種して2週間たつと、90%の感染予防効果があったとされています。

「発症を抑制する」ということと「感染を抑制する」というのは似ているようで全く意味合いが異なってきます。

発症を抑制できていても、もし感染していればその人は症状がなくてもほかの人にコロナをうつす可能性があります。しかし感染自体を抑制できれば、感染していないのでほかの人にうつすことはありません。

 

 

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