2025年4月の記事一覧
慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease; CKD)について
投稿日:2025.04.17
CKDとは、文字通りゆっくりと慢性的に経過する腎臓疾患のことで、20歳以上の成人7~8人にひとりが該当するといわれています。
CKDが進行すると慢性腎不全となり、透析による治療が必要になるだけでなく、CKD自体が心筋梗塞などの心血管イベントのリスクになることが知られています。腎臓は悪くなっても当初自覚症状がほとんどなく、いったん悪くなると回復させることがとても困難なので、障害を早期発見し増悪させないことが大切となります。
腎臓の機能について、以前は「クレアチニン」を指標とすることが多かったのですが、最近は腎機能をより正確に反映するという理由で「eGFR」を指標とするようになってきました。
CKDの重症度はこのeGFRと尿蛋白の出具合により重症度分類が示されています。
eGFRは健診やドックでも示されているので、健診結果をご覧ください。尿蛋白については「定量」が必要で、通常健診やドックでは行われていません。健診での尿の検査(定性)で、蛋白が±や1+、2+など陽性の場合は、クリニックや病院を受診し、尿蛋白定量を受けることをお勧めします。
表にあるように、緑の所が正常で、eGFRが低下したり、尿蛋白が増えてくれば重症度が高くなり、緑→黄→オレンジ→赤と末期腎不全での透析や心血管イベントでの死亡リスクが高くなっていきます。
高血圧や糖尿病で治療中のかたは、ぜひご自身がCKDの重症度分類のどこに位置しているか確認していただければと思います。
CKDを治す薬は残念ながらありません。しかし、CKDの増悪をゆっくりにしてくれる薬はあるので、重症度分類で黄色やオレンジの所に位置した方はぜひ受診をお勧めします。