【ホスピタリティについて】
「病院」を意味する「ホスピタル」。その語源である「ホスピタリティ」についてのお話です。
「ホスピタリティ」はラテン語の「ホスピス」からきているといわれ、旅人を積極的に保護するという意味があるのだそうです。医療に携わるものは、この「ホスピタリティ」の精神が大切で、学生時代さらには医療の現場で、その精神が養われていきます。患者さんや困っている人に寄り添う気持ちが「ホスピタリティ」にはあり、単なるサービスではなく、そこに心がこもって初めて「ホスピタリティ」になります。
これは医療の世界だけの話ではなく、一般の会社にも言えることだと思います。お客様への対応はもちろん、社内での人と人との関係も「ホスピタリティ」が大切でしょう。
「顧客満足度」というものがあります。商売などで、この「顧客満足度」を高めることで、お店を繁盛させようという考えです。しかし、従業員が仕事に対し満足していなければ、お客様が満足できるような状況になるとは考えにくく、「顧客満足度」を高めるには、まずは「従業員満足度」を高める必要があります。「ホスピタリティ」の精神はすべての人に対し効力を発揮するし、「ホスピタリティ」を追求する上で、従業員が一致団結することもできるでしょう。 今年の流行語大賞の候補に躍り出た「おもてなし」ですが、まさしく、「ホスピタリティ」を日本語訳した場合に、「おもてなし」というのはかなり近いのではないかと思います。
これからは「おもてなし」が世界共通語になるかもしれませんね。

【AGEs(終末糖化産物)について】
今回はちょっと耳慣れない物質のお話です。
「AGEs」って聞いたことありますか?これはAdvanced Glycation End Productsの略で、日本語では「終末糖化産物」といわれます。これは体の中のさまざまな蛋白に糖が付着し異常を起こした物質で、体内で悪影響をおよぼし、老化現象を起こす物質のひとつとして注目を浴びるようになりました。糖尿病では体内の糖が高いために、このAGEsが蓄積されやすく、糖尿病の合併症の発生にも関連しているのではないかといわれています。
AGEsはこれまで、高血糖や加齢に伴い、徐々に体内で作り出されているもの考えられていましたが、最近の研究では、口から摂取したもの由来のAGEsも存在することがわかってきました。食品の高温加熱調理で新たなAGEsの生成が加速され、調理前より10~100倍に増えたり、食品に含まれるAGEsは消化の過程で分解されますが、10%は体内にとどまるとのことです。
AGEsは糖の過剰摂取、運動不足、喫煙により産生がすすみ、動脈硬化や老化、アルツハイマー病などに関与しているとされています。体内にAGEsをためないためには、カロリー制限、運動、禁煙のほかに、ファストフードを食べない、野菜や果物を多くとる、ゆっくり食事を摂取するなどがいわれています。
AGEsは測定することもできますが、現時点ではまだまだ普及していません。近い将来、ドックなどで測定できるようになるかもしれませんね。

【逆流性食道炎について】
食道と胃のつなぎめの部分は、胃の内容物が逆流しないように適度に閉まっているのが普通なのですが、加齢などによりその閉まりが弱くなり、胃の内容物や胃酸が食道側に逆流して、食道の粘膜を傷つけてしまうのが逆流性食道炎です。胃酸は大変酸性が強く、胃の粘膜は酸への耐性がありますが、食道の粘膜は酸に対し弱く、簡単に傷ついてしまうのです。
典型的な症状は、胸やけや胃酸が上がってくる感じ、のどのつかえる感じがあります。中には胸の痛みを訴えられることもあり、胸痛を主訴に来院された場合、狭心症などの心臓の病気や肺、大動脈の病気をチェックしていきながら、常に逆流性食道炎の可能性はないのか念頭に入れながら診察します。
診断は胃カメラにて食道のただれを認めれば確定しますが、胃カメラの所見が正常でも、逆流性食道炎が存在し症状が出る場合もしばしばあり、症状を優先に治療します。治療としては、内服薬があり、これはよく効きます。また、食後すぐに寝転ばない、禁煙するなど、生活の中でも対処する必要があります。
最近、逆流性食道炎が原因で、咳が出たり、不眠になったりするということもわかってきて、咳や不眠が治療によっても改善しない場合は、この逆流性食道炎の可能性も考えてみる必要があるかもしれません。

【熱中症について】
今年も暑すぎます。熱中症の季節となりました。これは高温の環境下で体温調整が破たんし発症する病気で、症状はめまいや気分不良、さらにひどくなると意識障害をきたします。予防としては、
①直射日光を避けるー帽子や日傘を用いましょう。
②服装は涼しい格好で。まさしくクールビズ、さらにはスーパークールビズで。
③こまめに水分補給をしましょう。
④体調の悪い時には無理をしないように。
水分摂取についてですが、食事をきちんととれている人は、スポーツドリンクではなく水やお茶で十分です。スポーツドリンクには塩分が多く含まれており、高血圧の人や御高齢のかたでは血圧が上昇してしまいます。日本人は1日約12gの塩分をすでに摂取しており、熱中症予防として塩分を追加で取る必要はありません。炎天下での作業や運動で大量の汗をかいたという場合はスポーツドリンクでもよいのですが、それ以外の状況で、食事を普通に食べれている人は、熱中症予防としてスポーツドリンクではなく、水やお茶を飲むということを心がけましょう。
もし炎天下で体調を崩した人を見かけたときは、「あわてるな、されど急ごう救急処置」です。重症度の判定は意識がしっかりしているかどうかです。意識がもうろうとしている場合はすぐ救急車を要請しましょう。そして救急車が到着するまでに、体を冷やすことに努めます。日かげなど涼しい場所に移し、体に水をかけうちわで扇ぎます。気化熱を利用して体を冷やしましょう。

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